春夏秋冬　The Season Story
第五章　会議
夏がやってきた。そう、サマーバケーション、俺の心は、今にも、爆発しそうなぐらい、どきどきしている。
そう、どれくらいかというと、必殺技で自爆というコマンドが選択できるぐらいどきどきしている。いや、もっとわかりやすく例えるなら、おねしょをしてしまって、親に叱られるという子供の心境ぐらいどきどきしている。皆さーん。回りの景色を見てごらん。湖があり、ベンチがあり。滑り台もある。そう、ここは、公園である。
ほら、あちらに見えますのが、カップルです。そしてそちらのほうにもカップルが見えます。そう、昔の僕なら、カップルにむかって、爆竹でも投げてやろうかと思うぐらい、カップルがムカついた。いや、正確にいうと、少しうらやましかった。いや少しどころじゃないさ。うらやましかったさ。なぜ、俺には、俺には、彼女がいないんだーー。とカップルを見るたびに、俺の心が泣いていた。だが、今は違う、カップルを見ると、微笑ましい気持ちになれる。今日はデートだからね。軽く、待ち合わせ場所に三時間前に来てます。なぜなら、デートですからね。僕は、もしかしたら、これは夢かもしれないと思い、通りすがりの子供を呼び止めた。
「そこの道行く子羊よ、ちょっといいかね。」
子供はこっちを向いて、言った。
「むし、むーし」
子供は無敵王から離れていった。だが、そのとき、無敵王は、脳内会議を行っていた。
「どうする」
「まぁ。許そう」
「そう、そう、許そうよ」
「今日なら許せるよ」
「うん、皆の言うとおりだ。許そう」
脳内会議の結果許すという結論になった。だが、体は、爆竹を子供に向けて、投げていた。
「ざまー見ろ、ばーかばーか」
無敵王は爆竹を投げるとすぐに、近くのベンチに隠れた。まるで、かくれんぼをしたかのように。

そう、夏の風が吹いている。ぴゅーぴゅーってね。
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