田舎の王子様~照れ屋な俺様
昼時だから、購買の前はパンやおにぎりを買う子らでごった返していた。


うわ。箸買いたいだけでこんなに並ぶの~?ウザ…。


うんざりしてとりあえず列に並んでると…。


「おい、未紗~っ!」


後ろから元気のいい声が聞こえてきた。


振り返ると、幼なじみのコータだった。


背は高め。綺麗めの顔に、最近かけた緩めのパーマが顔立ちを更に優しくしてる気がする。


そんな彼は、高2になった今年の夏休みから、都と付き合い始めた。


近くにはいい美容室がないから、遠くの人気のサロンまで行ってかけるという、気合いの入れ具合。


全く、呆れます。


多分、全ては都の為に。少しでもカッコ良くいたいっていう意識の現れなのかな。


ついこの前までは(って言っても小学生時代だけど)鼻タレコータだったのにね。


「未紗、弁当以外にまだ食うん?都一人で弁当食ってたけど…」


「違うよっ。お箸忘れちゃったから、お箸買いたくて並んでるの!」


「どんくさっ!」
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