田舎の王子様~照れ屋な俺様
コータは私に聞こえるように、大きくため息一つつくと、椅子から腰を浮かし、力一杯ペダルを踏んだ。


小玉くんと乗る時は、多少女の子らしく横座りしてたけど、今はコータの後ろだから何の気も遣わない。


コータの背中を目の前にして、私は荷台にまたがり前向きに座っていた。


これもきっと、コータにオッサン呼ばわりされる所以…なんだ、きっと。


「何か懐かしいね~」


「はぁ、何が?」


「中学までは、コータと学校の行き帰り、よく乗せ合いっこしてたよね?」


「そうだっけ~?覚えてねーな」
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