田舎の王子様~照れ屋な俺様
「誰がそんな事言ってんの?」


「あ~…それはちょっと言えないんだけど」


…こっちが知りたいよ。


「未紗、分かってんだろ?オレそんな事できるほど器用じゃねぇよ」


「そーだよね…。…あのさ、でも私見ちゃったんだよね」


「何を?」


「コータのカバンに入ってた水玉のブックカバー…あれ、誰の?」


私がそう言うと、コータはその場に自転車を突然停めた。


え…。


コータは自転車を片手で持ったまま、降りて私の方を振り向いた。
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