田舎の王子様~照れ屋な俺様
教室に入って来たのは…


泥だらけの制服に、顔を赤く腫らした…


コータだった。


「どうしたのっ!?」


私が教室の入り口に駆け寄ると、コータは私の目も見ず、差し出した手をパッと払いのけた。


都はあまりに突然の出来事に、席から動けないでいた。


「ちょっとぉ…コータどうしたの?」


泥にまみれた制服を見つつ、赤く腫れ上がったコータの頬を私が触ると、再び激しく手を振り払われた。


「…るせーなっ。触んなよ」
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