田舎の王子様~照れ屋な俺様
小玉くんは私が教室を出たのを確認すると、廊下の端に行き、中庭の見える場所で窓枠にもたれる。


私も小玉くんについて行き、隣に立ち中庭を眺めた。


「…時間ないなぁ」


小玉くんは時計に目をやると、廊下の向こうをチラと見た。


もうすぐ…次の授業が始まる。


当たり前だけど、小玉くんの髪はすっかり乾いていて、窓から吹き抜ける風にサラサラと揺れていた。


何て言葉をかけていいかも分からず、ただその髪に見とれていると…


小玉くんが逆に私の髪に触れた。


…?!
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