田舎の王子様~照れ屋な俺様
ちょっとだけとか言いつつ、手の震えは隠せない。


「何やねん。震えんなや…」


隣の席の男子は、ワイワイ騒いでて、そんな私たちには気付いてない風だったんだけど


小玉くんは周りをチラッと確認すると、自分の上着を脱いで私の膝に掛けてくれる。


ありがとう…って言おうとすると、


掛けられた上着の下で、暖かい物が手に触れた。


小玉くんの手は、冷たい私の心と手を温めてくれる。


初めて繋いだ手に、小玉くんの視線にドキドキする。


そして…


小玉くんは私の耳元で、こう言った。


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