田舎の王子様~照れ屋な俺様
「そんな簡単に決めてえーの?」


「うん。だって…本当は小玉くんが来る前から…ずっと遠くの大学受験したかったから。


別に関東に拘る必要ないし…小玉くんが一緒なら関西でもいいかな」


「うわ~マジで?めっさ嬉しいわ。あかん、またキューッしたなってきたわ」


小玉くんは嬉しそうに、目を細め、握った手を何度となく強く握りしめた。


その度に、私の胸がキュッとなった。


実際…


現実はそんな甘くなく


確実に関西の大学に受かるなら、レベルを落とした学校もいくつか受験しないといけないし、お金もたくさんかかる。


そして…小玉くんが関西にある本命の大学に、受かる保証もなかったんだよね。


< 262 / 671 >

この作品をシェア

pagetop