田舎の王子様~照れ屋な俺様
かすれて苦しそうに呟く声が…痛かった。


だけど…、コータの気持ちには応えられないし…


どうしよう…。


迷いつつも、体は振りほどけない。


「…もぉ~。体調悪いからって甘えないでよね?私がいなくても…コータは大丈夫なんでしょ?」


「…そんなさ、どっか行くとか思ってなかったし。オレ…何か最近色んな事あり過ぎて、頭グチャグチャ…。わけわかんねーや」


「コータは…私がいなくても大丈夫だよ」


コータの体を押し返すと、思ったより簡単に腕は外れ…代わりに、ため息が落ちてくる。


< 316 / 671 >

この作品をシェア

pagetop