田舎の王子様~照れ屋な俺様
学食に着くと、昼飯時のそこは、相変わらず人で溢れ返っていた。


「未紗、何食う?オレが買うて来るから、席とっとってや」


「じゃあ…、日替わり定食」


分かった、って言うと、小玉くんは食券売り場に走って行く。


出来るだけ小玉くんから見えそうな席に座る。


昼は彼女とって、どんな決まり事よ。じゃあこれから毎日小玉くんと食堂なのかなぁ…。


「はい、お待たせ」


ボンヤリしてると、いつの間にか向かいの席に、小玉くんが座ってる。


目の前には、日替わり定食。


「並んでくれてありがとうね。お金…」


そう言って小銭を出すと


「今日は奢ったる。そん代わりもうちょっと楽しそうにしてや?」


うわ、顔に出てた?


小玉くんは私に笑いかけると、私の答えを待たず箸を割って一気に食べ始める。
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