田舎の王子様~照れ屋な俺様
「いや、別に意味ないねんけど。敢えて言うならやさ男の代名詞みたいな感じ?」


や…ヤサ男。まぁ、否定はしないけどね。


私が迷ってると、小玉くんは地面に着いた足をジタバタさせて


「も~、マジでお願いやから、早よ乗って?」


自転車を取りに来た生徒が、私たちのやり取りを見てクスクス笑っていた。


…このまま引き下がってくれそうにないし。今日だけ送ってもらおうか。


「…分かった。乗るよ。その代わり、絶対落とさないでよね!」


観念して、小玉くんの自転車の後ろに腰掛ける。


まぁ…今日ぐらいいっかぁ。


私にこんな事言ってくれる人も滅多にいないし。
< 60 / 671 >

この作品をシェア

pagetop