田舎の王子様~照れ屋な俺様

「ご…ごめん。特に用ないの。元気かなと思って」


『用なくてもかけてこいや』


冗談ぽく話す口調に、ちょっとホッと胸をなで下ろす。


「あははっ、変わってないね。偉そ~っ」


『まぁな。…元気やった?』


「う…、うん」


それ以上話が続かず、困ってしまう。


そしたら小玉くんの方から切り出してくれた。


『…今も、まだあの会社で働いとる?』


「うん…」


『転勤は?』


「ん…今のところまだかな。本社に転勤願い出してたけど、もう取り下げたから」


今はもう…大阪に行く理由がない。


2年地方で勉強したら、希望地に空きがあれば転勤させてもらえるシステムで


本当は今年はそのチャンスだった。




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