田舎の王子様~照れ屋な俺様
ガラァッ


コータの家の玄関の引き戸を開ける。


勝手に靴を脱ぎ、中に入る様子を小玉くんは黙って見ていた。


「あがってよ。コータが戻るまで中で待ってよー」


「…けったいやな~。鍵かかってへんのや。しかも勝手に入って、未紗んちみたいやし」


「あ~…そうだね。家族全員で出かける時以外は鍵かけないよ。多分お爺ちゃんが畑にいるんじゃないかな?」


「…ほぉ~」


小玉くんはポカンと口を開いている。


「コータの家は、うちの離れみたいなイメージかな。昔から行き来してるし、何の気も遣わないよ。ほら、あがってよ」


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