田舎の王子様~照れ屋な俺様
「嫌です~。今日は男同士で遊ぶんだって。未紗、部屋入ってくんなよ」


コータはそう言い残し、私のコーヒーを持って二階へ上がって行った。


ムムム…


コータ、小玉くんの影響でちょっと強気になった?


まぁ…いても仕方ないし、今日は帰ろうかな。


洗って返せと言った物の…明日の朝弁当箱がなかったら嫌だから


置いてあったコータのカバンを開け、自分の弁当箱を取り出した。


その時、カバンの中に見慣れない…紺地に白い水玉のブックカバーが入っているのを見つけた。


…コータこんなの持ってたっけ?


しかも、本ほとんど読まないのに。…しかも水玉って。


怪しく思って、中身をチラッと見る。


…普通の推理小説だった。


コータに何が起きたのか。本嫌いなハズなのに。…都に借りたのかな?


不思議に思ったけど、そのままカバンにしまった。


この事をきっかけに…


全ての事が狂ってしまうなんて


思いもしなかった。


私が見なければ…全ては上手くいったのかな


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