田舎の王子様~照れ屋な俺様
小玉くんって、英士っていうんだっけ。何か聞き慣れないな。


お母さんはそう言うと、小玉くんの頬を指で突いた。


「何や話あるんやったら降りて話しぃや。私嫌やで、こんな所であんたらがいちゃつくん見るの」


「いちゃつくか!早よ、車出して。またな、未紗」


小玉くんは車から降りず、私に手を振ると助手席の窓を閉めた。


今日あんなに私に絡んできた割に…別れ際はアッサリなんだ。


多少の違和感を覚えつつ、ちょっと残念でもあったり。


ま…また明日学校で会えるもんね。


軽快に走り去る車を見送り、私は家に戻った。

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