田舎の王子様~照れ屋な俺様
勢い余って、朝必死にセットしたであろうコータのゆる髪をクシャクシャに混ぜる。


「おわっ!て…てめ~何すんだよ」


「私を怒らせるからでしよっ。ったく早く鏡見て来いっつの。目脂ついてるわよアンタ」


「げマジ?くそ~、もう時間ねぇじゃん」


時計を見てブツブツ言うと、コータは慌てて教室を出て行った。


哀れな物を見るような目でそれを見送る都と私。


「もうちょっと、大人の落ち着きが欲しいよねぇ…」


「同感。髪型だけが大人っぽくて、精神年齢追いついてなぁ~い」


都が呆れたように吐き出す。
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