恋愛物語。


「.....。」

それだけ言って、可奈は黒板へと視線を戻した。

俺は黙って一点を見つめていた。



関係ない...なんて...。

逃げてるのはお前らの方だろ?

周りに頼って

甘えて

傷付けあって...

何が得られる?

期待したら、いつかはそれが重いと思われるかもしれないじゃないか。

信じたら、いつかは裏切られるときが来るかもしれないじゃないか。


期待しない方がいい。

信じない方がいいんだ。

人と関わるってことは、そういうことだろう?

「......。」

それなのに...

なぜだろう...

体は硬直したままだった――――...。
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