恋愛物語。

「お前らがやったのか?」

「ピンポ〜ン!」

「だぁって〜ムカツクんだもん!」

塚本の後ろから田中マリナと吉岡玲奈が顔を覗かせた。

右手に力が入る。

彰に肩をつかまれて思い止まった。

そんな俺に構うことなく繰り広げられる汚言の嵐。

「もちろん、触ったのはウチらじゃないけどね〜?」

悪びれもなく言う塚本の視線の先にあったのは...

「藤神が協力してくれたんだぁ。」

藤神...。

哲雄...。

「テツ...?」

「あぁ...集めたよ。」

「テメェ...!」

俺はテツの胸ぐらを掴んだ。
「こんなことに使うなんて...知らなかったけどな。」

塚本達は笑っている。

フフンと鼻で...勝ち誇ったように――...。

テツはそのまま扉を蹴って出ていった。
< 24 / 26 >

この作品をシェア

pagetop