弥生ワールド1★運命の人探してます
「私だって、好きで三十路の誕生日を迎えるワケじゃないんだから!」


「はいはい…」


「誕生日、飲み会で終わっちゃって、誰からもお祝いされなくて…別にプレゼントが欲しいとかじゃなくて…でも誕生日だから誰かと一緒にいたくて…」


「はいはい…」


私はそう言うとしばらく黙って歩いた


アパートが見えて、鍵を岩本に渡す


「203」


「はいはい…」


岩本は私から部屋の鍵を受け取り、スーツのポケットに入れた


「階段?ムリ〜上れなぁい」


「はいはい…」





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