俺様王子☆年下カレシ3
一階に下りる。


「一階ってベーグル売ってるだけじゃないの?」


「うん。奥にソファー席があるんだ」


沢渡くんはベーグルが並べてあるカウンターを通り過ぎると、大きな柱を右に曲がる。


曲がった先に、いくつかの大きめソファーとテーブル。ちょっとした寛ぎスペースになっていた。


明るいレジ周りと違い、ベーグル店にしては意外に落ち着いた照明。ゆったりとした音楽が流れていて、一人で本を読んでいる人もいた。


「うわ~。こっちのがいいね。二階ガチャガチャしてたし」


「だね。一階はいつも誰かが座ってて使えないんだけど、今日は空いてたみたい」


< 84 / 357 >

この作品をシェア

pagetop