二度目の初恋
観覧車を降りると美也と深紅が待っていた。
深紅は頬を赤く染めていて…。
さっきの光景がフラッシュバックする。
深紅と目を合わせられない。

「どうする?もう帰る?」

美也が訊いてきたが、俺は首を横に振った。

「もう少し麗子とここにいるから、お前ら帰るんだったら先にどうぞ」

麗子は嬉しそうに笑っている。
別に麗子と一緒にいたい訳じゃない。
これ以上、美也と深紅を見たくないだけだ。

「じゃ、俺たちはお先に失礼するよ。
行こう、深紅。
充琉、麗子ちゃん、またね!」

「おやすみなさい」

そう言って二人はその場から離れた。

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