二度目の初恋
夜、俺は充琉に電話をした。
真っ先に充琉が礼を言った。

「バイク、ありがとう。
美也のおかげで助かった」

「あの程度の事しか俺には出来なかった」

「何言ってんだよ?
あのままの格好で外を歩いてたら、深紅はどう思われた事か」

「深紅の様子はどうだった?」

「最初は酷く怯えてたけど、時間が経てば落ち着いた。
本当はお前の役なのに、俺が割り込んですまなかった。
深紅はもう大丈夫だろ? 精神的な面はお前がフォローしてやれば」

「その事なんだが…

 …………………

俺、深紅と別れようと思う」

「なぜだ? あいつが襲われそうになったからか?
それなら全部俺の責任だ。あいつを見捨てないでやってくれ」

「そうじゃない」

「じゃあ何だよ!」

「お前ら、見てると辛いんだよ!」

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