二度目の初恋
「二人とも…想い合ってるのが分かるんだよ」

「そんなはずはない。
深紅は美也が好きなんだぞ?
俺なんかよりお前の方が好きなんだから」

「それは麗子ちゃんがいたからだろ?
お前が麗子ちゃんと別れたのなら、深紅が自分の気持ちを抑える必要はなくなる」

「麗子とは別問題だ」

「別じゃない。
お前がフリーだったら、俺が告白する前に あいつは お前の胸に飛び込んでたはずだ。
だから…だから俺は深紅と別れようと思う」

「…それは美也の意見だろ?
深紅の、じゃない。
本当の気持ちなんて深紅にしか分からないじゃないか」

「じゃあ深紅に選んでもらうか?
それならお前も納得する?
でも俺たちが『どちらか選べ』と言えば、あいつはどちらも選ばない気がするんだ。
そういうやつだろ?深紅は…」

「…確かにそうだな」

「だから、俺はケリをつけたいんだ。
それであいつが幸せになるんだったら…」


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