二度目の初恋
夏休みに入るとすぐに、ヨシュは出発してしまう。
久しぶりに6人で摂る昼食。
いつものテーブルに6人が揃うのは何日ぶりだろう。
二学期が始まれば、このテーブルには5人になるんだろう。

「一年か…長いけど、案外あっという間だよな?」
いつもは物静かな貴洋くんが言う。

「心配しなくても、この席はお前の席だから。
俺たち待ってるからな」
佑介くんが言う。

「お前らさ~、一年、一年って言うけど、来年早々、修学旅行でオーストラリアに来るの分かってる?
そん時は俺が現地を案内してやるからな。
楽しみに待ってろ!」

「そっか、半年も経たないうちに、また会えるんだね!」

「それって俺に未練あり、と見るぞ?深紅」

「もう未練アリアリです…なんちゃって~」

6人で笑った。

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