二度目の初恋
電車が動き始めてしばらくすると
麻由が涙目になった。

絶対にいる!

そう思って
麻由の後ろの方へと腕を伸ばした。

知らない手が
麻由のお尻にピッタリとくっついていて。
パシッとはたいてみたけれど、意外としつこい。


本音を言うと
ちょっと怖かったけれど…

「痴漢って犯罪行為だよね?」

聞こえよがしに言ってみた。


慌てたように
麻由のお尻に添えられていた手は、どこかへと消えた。



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