二度目の初恋

そのまま下車するまで
麻由への嫌がらせは起きなかった。

内心、ホッとしたものの
当分は麻由と一緒に通学しようと思った。

駅から学校へと歩いていたら
充琉と出会った。

「お前どうしたんだよ？
麻由の家にでも泊ったのか？」

「違ーう」

「んじゃ、なんで電車なんか乗ってたんだよ？」

言ってもいいのかな？
やっぱりイヤだよね。
麻由の気持ちを大事にしなきゃ…。

「内緒―――！
充琉には教えな～い！」

「なんだよ、それ」

そう言って笑いながら学校まで走った。