そして秘密の時間(とき)を共に
きっと理由はあるんだろうけど……。



涼が私の気持ちを察してくれて、今、こうして笑ってくれるから、私はそれでいいと思った。

「大丈夫。気にしてないから」



いつもなら学校で涼に触れられると、誰かに見られるんじゃないかって、回りが気になっていたけど……。

今は頭の上から伝わる手のひらの温もりが、全身に広がっていくようで、そんな事まで考えられなかった。



涼の表情が、切なげなものに変わり……えっ?

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