そして秘密の時間(とき)を共に
「涼」

「なんだよっ」

「隆志先輩に、聞いた」

涼の手の動きが、止まった。



「どうして、言ってくれなかったの? 涼……私が気にすると思って、言わなかったんでしょ? でも……涼、傷付いたよね? ごめんなさい、私」

「そうじゃない」



えっ?

涼は私の頭の上から、タオルを取った。



そして見えた涼の表情は、初めて見る自嘲的な苦笑い。

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