ことばにできない
そんなことは思いもよらないユリちゃんのお父さんは、ユリちゃんに特別な進路を考えていた。

その学校の短大の〝教養学科〟へ入れようとしたのだ。

それは、その学校の中でも特に選ばれた人だけに扉が開かれる学科だった。
本人の成績だけでなく、容姿、品行、そして家柄も考慮される。

その全てをお金で解決しようとしたお父さんのおかげで、ユリちゃんは学校中から冷笑された。


ユリちゃんにとってその学校は、全く魅力のない場所になった。


ユリちゃんはその頃、美容師になりたいという夢を持っていた。

「専門学校へ行きたい」と言って、お父さんの怒りを買った。



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