ことばにできない
気づいたら私はなぜだか、エミちゃん相手に身の上話を始めていた。

「こんな母親と二人で、私、どうなっちゃうんだろうと思ってた」

そんなことを打ち明けていた。


エミちゃんは、

「照哉さんと一緒なら、大丈夫だよ」

と言った。そして、

「もっともっと、幸せになりなよ。決めちゃいなよ。照哉さんと似合ってるよ」

とも言ってくれた。


結婚式に来て欲しいと言ったら、

「友だちの結婚式、初めてだよ。ドキドキしちゃう」

と答えてくれた。



私は初めて、自分に友だちがいると知った。






二年間この町に戻っていないイケハタを強引に呼びつけて、
自分の家に泊めて、
私の結婚式に出席させたのも、エミちゃん。


そのあとユリちゃん相手に、
私のいる店の宣伝をしてくれて、
ユリちゃんが店に来るきっかけを作ってくれたのも、エミちゃん。











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