ことばにできない



        何で、私?


頭の中が真っ白。

やっとのことで答えた。


「何かの間違いです、私なんか…」


私が呟くと、専務が打ち消す。

「私なんか、じゃないわ。私たちは、アンタだからこそ来て欲しいのよ」


「でも私、すっごく荒れてたんですよ、まともじゃなかったですよ」


店長も専務も笑った。

「そんなこと、今更言われなくたって、私たちはよーく知ってるから」




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