ことばにできない
照哉さんは急き込んで、早口で言った。
「もちろんだよ。
絶対お前がいいんだ。
だけど急がなくてもいいんだぜ。
もっと考えてからでも。
俺、いくらでも待つから」
「よろしくお願いします」って言おうと思っていたのだけど、
泣いちゃいそうで声が出せず、
私はただ何度も頷きながら、
照哉さんの腕の中で震えていた。
「どうした?」
またしても聞かれ、私は小さく答えた。
「寒いんです」
照哉さんは私を強く抱きしめ、耳元で囁いた。
「今夜は一緒に寝よう」
* * *