ことばにできない
それよりも私が気になったのは、あなたのこと。
お母さん以上にきれいで、これが悪い方に向かわなければいいって、いつも思ってた。
大変なこともあったみたいだけど、
こんなに落ち着いて、あんな立派なお宅に見初められて…。
本当に良かったわね。
おめでとう。
お母さんも持ち直すといいわね」
母の過去の断面を知らされても、母に対して少しでも優しい気持ちになれるわけはなかった。
むしろ、大家さんが、終始穏やかに話してくれたことに、私は感動した。