ことばにできない
「母のことは諦めてます。
この先、これ以上他人に迷惑を掛けないで済むのだけが、救いです。
あんな母よりも、私は、大家さんが本当のお母さんだったらどんなにいいかと…」
「だめよ。あなたのお母さんは、あなたを産んでくれた、佳子ちゃんだけ」
大家さんは私を遮っていった。
「産んでくれてありがとうって、いつかきっと、感謝する日が来るから」
大家さんに手を握られて、私は涙が止まらなかった。
母と私を見捨てなかった唯一の人。
この人のおかげで、私の今があるのだった。
* * *
この先、これ以上他人に迷惑を掛けないで済むのだけが、救いです。
あんな母よりも、私は、大家さんが本当のお母さんだったらどんなにいいかと…」
「だめよ。あなたのお母さんは、あなたを産んでくれた、佳子ちゃんだけ」
大家さんは私を遮っていった。
「産んでくれてありがとうって、いつかきっと、感謝する日が来るから」
大家さんに手を握られて、私は涙が止まらなかった。
母と私を見捨てなかった唯一の人。
この人のおかげで、私の今があるのだった。
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