ことばにできない
専務は、来られるはずのない私の母のためにも、席を用意してくれた。

披露宴の最後に、社長が私のことを、

「私の新しい娘」

と紹介してくれた。

私はその日一日、感激でずっと涙が止まらなかった。


ほんの数年前まで、ひどい生活をしていたのに。

つい数ヶ月前まで、自分が結婚できるなんて、思ってなかったのに。

こんなに幸せになれるなんて…。




< 147 / 177 >

この作品をシェア

pagetop