ことばにできない
金持ちの男のゴージャスなマンションに、飼われたこともあった。


どの男も、最初はウキウキしている。

けれどもじきに口数が減り、怒りっぽくなる。

つまりは私に飽きるのだ。

そんな気配を察知したらすぐさま、私の方が黙って出て行った。


他の女絡みでトラブることもあった。
私はさっさとドアを出た。

私は男になど全く執着しない。
それに、手放して困るものなど、ひとつもなかった。
 



こんな風にして二年近くが過ぎた。

私は、とんでもなく危ない男に拾われてしまった。






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