ことばにできない
夜が明けた。

明るく降り注ぐ日差しを受けながら、女子高生たちが通りを行く。


私には縁のない、健康的な笑顔。
重そうな鞄。
すり切れそうなスニーカー。


彼女たちの全てがうらやましかった。

彼女たちほど豊かでなくてもいい。
せめてまともに暮らしたいのに。

上手く行き始めたと思ったときに、必ず邪魔が入る。


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