ことばにできない
そしてすぐに、幸せの終わりが気配をみせた。
高校へ通い始めて間もなくのことだった。
店長が仕事のついでに、学校まで送ってくれた。
途中、私のアパートのそばを通る。
私の部屋の前をうろうろしている人がいた。
「誰かいる。知ってる人?」
店長に聞かれたのと、私がその正体に気づいたのが同時だった。
「あの男…」
声が震えた。
私の様子で何となく察してくれた店長は、そのままアパートを通り過ぎた。
そして、高校の近くに車を停めて、聞いた。