ことばにできない
唇を噛んでうつむく私に、店長は言った。

「部屋の鍵、俺に貸してくれないかな。
あの男は追い出しとくから。

授業終わる頃、ここまで迎えに来るよ。

今夜はアパートに帰らないで、ウチに泊まればいい」


私は何も考えられなかった。

アイツと顔を合わせなくてすむなら、今は他のことは何も望まない…



そんな気持ち。



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