ことばにできない

言葉通り、店長は迎えに来てくれた。

一緒に店に戻るとそのまま、店長に連れられて二階へ上がった。
社長一家の居宅。ここに入るのは初めてだ。

専務が心配そうに迎えてくれた。

「照哉に話し聞いて、私と敏哉でアンタのアパートへ行ったのよ。
相手をビビらせるなら、照哉より、体のデカイ髭面の敏哉の方が効果的だからね。

崩れた男が、アンタの部屋に上がり込んで、ビール飲んでたわ。

私たちがちょっと言ってやったら、震え上がって出てっちゃった」

店長が引き取って、おかしそうに続けた。

「ゴツいアニキ見て、あの男ビビッただろうな。ハハッ」

話題の主の敏哉さんは、知らん顔をして新聞を広げていた。



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