ことばにできない
私が小学校5年か6年の頃、母には複数のオトコがいて、日替わりで毎日誰かをアパートに連れ帰っていた。
ソイツらは揃って、酒を飲むと訳の分からないことを言って怒鳴ったり、母を殴ったり蹴飛ばしたりした。
私はそんな怒鳴り声や母の悲鳴に、慣れっこになっていた。
そんな頃、近所の一軒の家から、毎晩、怒鳴り声と悲鳴が聞こえるようになった。
(酔っぱらいのオヤジが暴れてる)
私にはすぐ分かった。
分かっても最初は気にならなかったが、それが、同じクラスの子の家だと分かったときには、相当驚いた。
その子は端整な顔立ちで、勉強は飛び抜けて出来た。服や持ち物は、どちらかというと地味だけど、きちんとしていた。
当然、先生たちのウケがいい。
本人も自信ありげで、まっすぐに顔を上げ、いつも余裕たっぷりに微笑んでいた。
貧乏で、洋服の洗濯もままならなくて、学校は休んでばかり。たまに行っても先生にすら声をかけてもらえず、いつも自信なく髪の毛で顔を覆っていた私とは、正反対。
ソイツらは揃って、酒を飲むと訳の分からないことを言って怒鳴ったり、母を殴ったり蹴飛ばしたりした。
私はそんな怒鳴り声や母の悲鳴に、慣れっこになっていた。
そんな頃、近所の一軒の家から、毎晩、怒鳴り声と悲鳴が聞こえるようになった。
(酔っぱらいのオヤジが暴れてる)
私にはすぐ分かった。
分かっても最初は気にならなかったが、それが、同じクラスの子の家だと分かったときには、相当驚いた。
その子は端整な顔立ちで、勉強は飛び抜けて出来た。服や持ち物は、どちらかというと地味だけど、きちんとしていた。
当然、先生たちのウケがいい。
本人も自信ありげで、まっすぐに顔を上げ、いつも余裕たっぷりに微笑んでいた。
貧乏で、洋服の洗濯もままならなくて、学校は休んでばかり。たまに行っても先生にすら声をかけてもらえず、いつも自信なく髪の毛で顔を覆っていた私とは、正反対。