遠距離、恋愛。-二人の距離-
『新幹線乗りました!』

あと、2時間もすればトモが来る。

2時間ならなんとか終わらせることができるので、迎えに行くことをメールした。

トモはどんな気持ちで来てくれるのだろうか?

俺にとってはトモは特別な存在になっていて。

だからこそ、個人的に誘ってみたんだけど。

まさかこんなにすんなりOKが出るとも思っていなかったし、先週末にあったばかりなのにまた会えるなんてかなり驚きだ。


何とか仕事を終わらせ、あわてて帰り支度をして。

隣の席から「彼女と待ち合わせ?」なんて聞かれたけど、肯定も否定もせずに笑ってごまかした。

彼女だったらいいんだけど。

会社を出て駅に着くと、ちょうど新幹線がホームに到着した時間で。

改札の前で待っていたら、トモがサラリーマンと並んで歩いてくるのが見えた。

・・・え?誰だよ?

まさか、俺と二人で会うのがいやで誰か連れてきたとか?

とっさにいろんな考えが頭をよぎるけど。

「コウタ!」

俺に気が付いたトモが、びっくりするくらい大きな声で呼んでくれた。
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