遠距離、恋愛。－二人の距離－
今まで何度も乗った新幹線だけど、今日はなんだか落ち着かない。

少しだけ、何かを期待している自分が居たりして。

何を期待しているの？

自問しても答えが出ないけど、でもちょっとだけ期待しちゃう。


適当に買い物をして新幹線のホームへ向かうとちょうどいい時間だった。


いつも禁煙席の指定席を買っている。

タバコはそこまで苦手じゃないけど、週末の喫煙席はたまったもんじゃない。


とにかく、臭いし。煙草だけじゃなくて、お酒の匂いもきつくて。

お酒の匂いは禁煙席もでするけど、まあこれは仕方ない。


金曜日の夜、新幹線は仕事帰りのサラリーマンでとにかくいっぱいなのだ。


しばらく並んでいると新幹線が滑り込んできて。

チケットを確認しながら自分の席へと着く。


窓際で景色良好。


荷物を棚の上に置いて小さな鞄だけを持ち、そこから携帯を取り出してコウタに新幹線に乗り込んだことをメールした。

しばらくしてまだ仕事中だけど迎えには間に合うとメールが返ってきて、自然と顔がゆるんでしまう。
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表紙・目次

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