遠距離、恋愛。-二人の距離-
ゆっくりと、トモが口を開いた。

「コウタが、好きなの。だから、ひとりで来たんだから」

その言葉は、俺への返事で。

顔を真っ赤にしたトモが、はにかみながら俺を見ていて。

机の下で、そっと手を握った。

「おめでとう!」

大野さんとマユさんが、満面の笑みで拍手をしてくれて。

晴れて恋人になれた俺達だったけど、まさか居酒屋で告白だなんて。

それからはひたすらお互いの恋愛について、恥ずかしいと言いながらも女性二人がどんどん話していて。

俺も大野さんも、そこまで言わなくてもいいんじゃないのか?と、話が止まらない二人にひやひや。

2時間ほどして、落ち着いたころに店を出ることにした。

車で送るというと、いつの間にかタクシーを捕まえた大野さんがマユさんとさっさと帰ってしまって。

トモの手を取り、助手席に乗せた。

どこへ行こうか考えていたけど、ゆっくりしたいというトモを家まで連れて帰って。

運転中、ずっと感じる横からの視線。

ほんのり酔っているトモの目も、心なしかトロンとしていて寝むそうだった。
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