遠距離、恋愛。-二人の距離-
マンションに着いて、トモを招き入れる。

先週もこの家にトモは来たはずなのに。

今まではトモ以外にも何人かの仲間がいたから、初めての感覚。

今日は、トモだけが来てくれた。

それも、俺の彼女として。

「おじゃましまーす」

酔っているはずなのに、いつもと変わらない感じで靴を脱いで家の中へ入っていくトモ。

緊張しているのは、俺だけ?

後を追うようにしてキッチンまで行くと、冷蔵庫を開けながらビールを2本取り出した。

いつもの定位置であるソファに座っていたトモに一本渡すと、自分の分をぐびっと飲む。

「はー。うめー」

車だったから我慢していたけど、やはり今日は気分よく飲みたかった。

一週間の仕事の疲れと、今日の出来事でどっと疲れが出てしまった感じだ。

いつのも缶ビールなのに、いつもよりも美味しく感じる。

手をあげて伸びをする俺に向けられる、トモの視線。

「あ、また俺に見とれてる」

なんだか照れくさいその視線にどうすることもできなくて、こつん、と頭をつついてみる。

「惚れなおした?」
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