遠距離、恋愛。-二人の距離-
そっと体を引き離すと、驚いたようにトモが俺を見上げてきたので、そっとその唇にキスをした。

そっと、触れるだけのキスだったけど、トモはちゃんと目を閉じていて。

そんな顔を見ていると、心の奥からじんわりと幸せな気持ちがわき上がってきた。

なんともいえない、涙が出そうな幸せ。

「コウタ・・・」

そっと目を開けがトモが、心配そうに俺を見上げていて。

「どうしたの?」

不安そうな顔で俺を見てくるトモ。

両手でそっと俺の頬を包み込んでくれて。

温かいトモの手が、とでも気持ちがいい。

「トモ、うれしい」

うまく言葉にできないけど。

今、こうして一緒にいられることが、とにかくうれしいんだ。

トモが、俺の頭を自分の胸にぎゅっと抱きしめてくれて。

「コウタ、大好き」

直接頭に響いてきたその言葉は、俺の心の中までしっかりと響き渡った。

しばらくして。

どちらからともなく唇を重ね、俺のベッドの上でトモと二人だけの甘い時間を過ごした。
< 115 / 127 >

この作品をシェア

pagetop