遠距離、恋愛。-二人の距離-
「Webカメラで見るよりも、いい男だろ?」

あまりにも視線を感じるので、思わず口から出てしまった言葉。

そんな俺の言葉に噴き出すようにしてトモは笑って。

「コウタうけるよ」

笑いながらそんなことを言って。

ちょっとだけ悔しいくて、信号で止まった時にトモの腕を引いて触れるだけのキスをした。

「な、なに、するのっ」

「え、キスしたかったから」

激しく動揺するトモ。

夕べ、ベッドの中では自分からしてきたくせに。

思ったけどさすがに口にはできなくて。

でも、仕返しできたことが気分良くて。

顔を赤くしながら、外を向いてしまったトモ。

そのまま海岸沿いにある、一軒のお店の駐車場へ車を入れた。

大学の時に、女の子が教えてくれたおしゃれなお店。

俺一人ではなかなか来れないので、今日はかなり久々だった。

料理を頼み、二人で分け合ったりして食べているのに。

楽しい顔をしていたと思ったら、急に難しい顔をしたりして。

一人で百面相をしているトモが、なんだかおかしい。
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