遠距離、恋愛。-二人の距離-
どうしたのか聞いても、何でもないなんて。

ああ、このお店のことだろうか。

男が一人で来るようなお店じゃないから、誰と来たとかそんなこと考えているのかな。

確かに、女の子と一緒だったけど、付き合っていたわけじゃないし。

「トモ、皆に俺の彼女ですって紹介したいんだけど、いいかな?」

夜、一緒にチャットをしようと誘うと、顔を赤くしながらうれしそうに笑ってくれた。


コンビニへ寄って食料品を買い込んでから帰宅。

車の中は、普通に会話をして笑って。

マンションに着いて、荷物を持ったまま部屋へ。

玄関を開けてからトモを先になかに入れると、荷物を置いてからぎゅっと後ろから抱きしめてしまった。

「ひゃあ」

俺に抱きしめられたトモが、体をびくんとさせて驚きながら変な声をあげて。

ぎゅっとトモの体にまわした腕に力を入れると、トモのこわばったからだから力がすっと抜けた。

「こ、コウタ!?」

それでも、俺の名前を呼んだ声は少しだけ震えていて。

なんだか可愛くて。

もっと、もっと近くに感じたい。

トモを。
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