遠距離、恋愛。-二人の距離-
「誰かいるかな?」

チャットを起動してカメラをチェックする。

いつも通り、良好で。

「トモ、おいで」

床に座った俺の脚の間をぽんぽん、と叩くと、素直にトモが寄ってきてすとん、と座った。

お風呂の中でもそうだったけど、この体制がこんなに幸せだなんて今まで知らなかった。

ぎゅっと後ろから腕をまわしてトモを抱きしめて。

女の子らしい、ふんわりとした抱き心地に、うっとりとしてしまう。

「あはは、なんだかウケル」

カメラに写った俺たちの姿を見て、トモが笑って。

そんなトモの肩に顎を乗せ、俺もくくくっと笑いがこぼれた。

チャットには誰もいなくて、しばらく二人でカメラで遊ぶことに。

ぎゅっと抱きしめたり、顔を引っ張って変な顔を作ったり。

そうかと思うと、トモが突然振り返ってキスをしてきたりして。

俺も彼女の顎をつかむと、そっと唇を重ねたりしていた。


猫娘>>うわっ!どゆこと!?


ふと画面を見ると、いつの間に参加したのか、猫娘がカメラの前で大騒ぎしていて。


KOTA>>よお、猫


さも何でもないように普通に話しかけてみた。

そんな俺の前で、トモは大笑いしていて。
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