遠距離、恋愛。-二人の距離-
「普段、一緒にいられないからコウタとお揃いの何かが欲しい」

そういう彼女の手には、可愛らしいペアのマグカップ。

俺なら絶対に選ばない、とても女の子らしい物で。

「これどう?これ!」

とても気に入った様子で、興奮気味に俺に同意を求めてくるトモだけど。

俺が使うには、ラブリーというかなんというか・・・。

「可愛らしすぎない?」

戸惑いを隠せずに、かといって彼女が選んだものを否定するほどでもないんだけど。

それでも、自分がこれを使っている姿を想像すると・・・。

そんな俺の気持ちを察したのか、決定!と言いながらレジへ進んでいくトモ。

あんなに喜んでいるし、いいかな。

彼女の後を追い、財布を取り出している彼女を制して俺がお金を払った。

プレゼントを買うつもりだったんだし。

そのまましばらく店内を見て回り、近くにある別のお店でもウインドウショッピングして。

コンビニで食料を買ってマンションへ戻った。

どこかおしゃれなお店へ出かけてもよかったけど、夜までの短い時間を少しでも一緒に過ごしたくて。

ぴたっと俺に寄り添ってくるトモがかわいくて、そっとキスをして。

「コウタ・・・」

ベッドの上で体を重ね、お互いの気持ちをしっかりと確かめあった。

ふと時計を見ると、シャワーを浴びて家を出るにはそろそろ準備を始めないとだめな時間で。

名残惜しくトモにキスをして、次は俺が遊びに行くことを伝えた。
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